2022/04/15 Fri

【館長ブログ】絵具のしたたり(04)

”соняшник” ~向日葵~

私事ながら、つい先ほどある漫画を完成させました。

 

別段どこかから依頼されたものではなく、出版物になる予定も今のところない作品です。

 

ただ、どうしても描かねばならない使命感に駆られた勢いで気が付いたらペンを走らせていました。

 

だからという訳でもないのですが、今回、作画した20ページばかりの作品は背景から効果、仕上げまですべて自分一人で完成させました。

 

アシスタントさんに入ってもらうことなく、すべて自分で描いたのはデビュー前の約38年前にまで遡ります。

 

久しぶりにすべての作業を一人で描くと改めて漫画の作画は本当に肉体労働なのだと気づかされました。

 

 

デスクワークなのに肉体労働とは!? と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは本当なのです。

 

思いを込めてペンを使うととても大きな筆圧が必要となり指と手首に強烈な負担がかかります。

 

それを数日間にわたりやり続けるのですから、負担は肩から腰、首に拡散していき猛烈な疲労感を作り出します。

 

 

 

それでも完成までは、寝ている以外の時間のすべて机に向かい、ひたすら描き続けるのです。

 

 

あくまで平均的な数字ですが漫画は、1枚の作画で約4時間かかるといわれています。

 

ですが今回のように、手描きの効果やタッチを多用すると必要な時間は青天井になります。

 

しかし、その分手描きならではの温かい画面構成になるので苦労は報われることになります。

 

もちろん私以外の漫画家さんにしても、作家がこだわって一人で描かれたイラストや決めゴマ、表紙などは作家性が存分に表現され、独自性があふれ出します。

 

そうしたものこそ作家が本来創作したかった原風景でもあるのです。

 

 

 

今回、重ねて私事ながら、この光臨アートギャラリーにそんな作品を発表させていただけることになりました。

 

作品のタイトルは「соняшник」邦題は「ひまわり」です。

 

 

 

世界の平和を心から願って、世界中のだれが読んでもわかるようにセリフが一切ないサイレント作品にしました。

 

たった20ページの小さな作品ではありますが、これをを読んでくださった皆様に、何かほんの少しでも温かいものが心に残れば幸いです。

 

 


この作品は商用利用、二次使用すべて問題ありません。
著作権は放棄しませんが行使も致しませんのでご自由にお使いください。

 

 

 

1点お願いがあります。

 

できましたら、誹謗中傷など人を気付つける内容に改変したりしないでいただきたいのです。

 

 

そして、もし商用利用された方は、その中で得た利益の中から少しだけでも平和のために募金などにご協力いただけたらこれ以上の喜びはありません。

 

 

 

 

 

光臨アートギャラリー初代館長
佐佐木あつし